’15 雪組公演 アルカポネ@梅田芸術劇場シアタードラマシティ

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まず演目が発表になった時、誰もが思ったであろう、また悪役かよ…と。笑

いいけど…いいけどさ…
黒いだいもん素敵…
でもでも、

ベネディクト(悪いホテル王)
ブロンソン(DV男)
ルキーニ(テロリスト)
カリオストロ伯爵(これは微妙かな?)

最近こんなのばっかじゃない?
ベルばらでアンドレとかもやってるけど…
ちょっと悪役多いよね??

そこにマフィアのお話とくれば、
ちょっとガッカリしちゃうのも仕方ないよね…

と組み替え後初主演を喜びつつ、もやっとしたままいたのですが(映画「スカーフェイス」を観てさらにもやっとなったり…)


しかし先行画像が出て
そんなもやもやは吹っ飛ばされました。

めっっっっちゃかっこいいーー!
ヽ(o´∀`o)ノ

また悪役かよとか思ってごめんなさい。
望海風斗さんの引き出しを侮ってました。

黒い服ばっか着てるおしゃれな人に
黒ばっか着てるねって言うと、黒は黒でも全部違う黒なんだよと言い返されるあの感じと似てますね。

「黒い役にも幅がある」

これです。
もう文句は言わないでおこう。


そんな心持ちで迎えた観劇。
席は2回とも17列目のぎりセンターブロック。なぜか2回とも17列目…笑

セットが既に見えていて、大小異なる樽が何個かありました。舞台が始まると、その樽が部屋になったり店になったり裁判長の台になったり、くるくると回りながら場面を転換していくのです。
面白いセットだなーと思っていたら、後に人力で動かしていると知りアナログさに驚きました。小劇場公演ではよくあるのかな?

前半は青年アルカポネなのでまだピュアな感じで、爽やかボーイでした。
いやー新鮮!ピュアなだいもん新鮮‼︎とむひむひしてたらあっという間にギャングのNo.2まで駆け上がって、あっという間にギャングスターになっていました…

目的の為なら戸惑いなく殺人も犯してしまうだいもんアルカポネですが、妻であるメアリーにはそりゃ暖かい眼差しなんですねー(o´∀`o)そういう一面をみつけてはむひむひしてました。どんだけピュアなだいもんを欲しているんだっていう…

でもでも黒いだいもんもめっちゃ素敵でした!ソファに座る姿とか、ラストのコートを羽織った背中とか…
なにより裁判のシーンは圧巻でした。怒りに震えるあの顔にあの歌声、目の前に迫ってくるようでした。本当に体がビリビリしたのです。
楽屋入りで見たあの華奢な美しい女性はいずこへ…笑
凄すぎてなんだかちょっと遠い存在にも感じられたり…
少しだけ周りから浮いていたような気がしてしまいました。
孤高な役柄というのもあったのかな?

それぞれのお役はとても良かったと思いましたが(この時香綾しずるさんを認識出来ていなかったので、終演後友人と「あのレロレロの人誰⁉︎」と盛り上がりました) ただエリオット・ネスが弁護士を殴るシーンがよく分からなかったなあ。

アルカポネの思わぬ一面を見て、友情を感じてしまって自分の警察という立場との板挟みで苦しむエリオット・ネス。
裁判で自分が有利になるように裏で手を回していたアルカポネ。しかし弁護士に裏切られその手も無効にされていた。エリオットはアルカポネを裏切った弁護士を殴って、俺とアルカポネは友達だー!(うろ覚え)と叫ぶ。

ポカーンでした。笑
何言ってんの??と。
弁護士はアルカポネを裏切ったけども、そもそもズルしようとしたのはアルカポネだよね?全くの冤罪ならば分かるけどそうじゃないし。そしてなぜお友達宣言…??
私の理解力足りてないのかな…?

本当にアルカポネとエリオットの最後の辺りの関係性だけが疑問でした。

でもこの公演、読売演劇大賞の作品賞のベスト5にノミネートされている…そして原田諒先生も演出家部門でノミネートされている…不思議や…

本当に出演者の方々は本当に素晴らしかったのです。ただ物語の筋がさ…気になっちゃって…

という公演でした。笑



新たな黒さを見せてくれただいもんは、まだまだ、ぐんぐん成長して、吸収して、私は自分が恥ずかしくなってくるぐらい向上心に溢れてキラキラしていました。だいもんを見ていると、背中がシャキッとします。
宝塚に入って大変なことばっかりだろうに、宝塚を大好きだと公共の電波に乗せて(笑)公表するだいもん。それって結構すごいことだと思います。
自分も好きな業界に望んで就職したけど、嫌になってしまうことなんかしょっちゅうで。好きだからこそ実態を知って悲しくなるみたいな…
そういうのも全部抱えた上で、あれだけ胸を張って(笑)自慢気に、宝塚愛を語る姿。素敵だな…心は白百合だというのも頷けます…


そんなキラキラしたピュアな気持ちを失わないだいもんにこそ、白い役をやって欲しい…‼︎
だいもんの新人公演主演作、太王四神記のタムドクが大好きで。ああいう育ちのいい熱い気持ちを秘めた王子様…めっちゃ似合いません⁉︎だいもんの出番が多い作品は割と見たのですが(全部ではない)一番好きでした!新公なのに!

紅さんのお披露目作品の「スカーレットピンパーネル」は新公主演作だと知って、もしかして…太王四神記…と密かに…密かに願っています。

黒が強いほど、白は際立つのです。黒さに磨きをかけただいもんがやる真っ白いタムドク…絶対絶対素敵に決まっている。

あーでもまだトップになって欲しくないよー笑

こういう妄想ができる時が一番幸せな気がしてしまいます。笑