2016宙組エリザベートと2014花組エリザベート みんな違ってみんないい。

私の初エリザベートは2014年の花組です。2回目の観劇でした。

 

望海風斗さんを生で見てみたい!と思って調べたところ、東京でエリザベートが公演中。お金の力でチケットを入手して観劇した思い出があります。その時はひとりで見に行ったので、私を宝塚に引き入れた友人と、花組エリザ一緒に見たかったねと時折話していたので、宙組でやると聞いてとても嬉しかったのです。
 
前回のエリザの加熱ぶりを思い出してチケットとれるか非常に不安だったんですが、阪急交通社で申し込んだら取ることができました。あんまり早い時期にあっさりとれたので拍子抜けでした…阪急交通社って穴場なのかな。
 
今回のエリザベートでは、トカイワインの販売がありました!最近この企画続いていて嬉しいです!ミーマイの時もフィッシュ&チップスとビールをいただきました。もちろんハンガリーに独立を…!で乾杯。こういう企画があると世界観を感じられてわくわくが加速します!なので高いけども買わずにはいられない!
 
いろいろなもので高まった状態で観劇...なんていうか.....
エリザベートという作品が好きだって思いました。全体のバランスというかスジが通っていて、ストンと作品が理解できたような気がします。トートの立ち位置が、主役でありながら影にひそんでいる「死」として成立していたような。トートはあくまで概念であって、エリザベートの心の中に潜んでいるもので、あまりに独立しすぎてるとキャラクターとしての存在が理解し辛いものになってしまうのかなあと。そこのバランスのとりかたがまあ様トートはとても良かったように感じました。宝塚においてトップスターがそういう役作りをするんだなーと意外に思いました。(その点明日海トートは感情豊かな主役らしいトートだったなあ。あまりに感情豊かすぎてトートというキャラがよくわからなくなって混乱しました。笑)黒髪というのもそういう意味で効果的だったと思います。衣装も完全にまあ様のスタイルがなければおもしろいことになっちゃう系でしたね。あえてマントの裾が床につく長さになっていたことに長身の余裕が感じられました。(しかし、マントかっこいいんですけと足が全然見えないんですよねーまあ様が机に腰掛けるところなんて太ももガン見です。長いし細いしどういうことだ!!と思いながらガン見です。)
衣装といえば真風さんもとっても素敵でした。若くハンサムな皇帝の説得力たるや!今回のエリザの素敵なところって、フランツとエリザベートの関係性がキチンと夫婦らしく感じられたところにもあったと思いました。エリザベートもフランツを愛していたのだなーと思えたので、裏切られたと感じた後のエリザベートの行動も、傷ついた故のことだったのだなと。エゴイストになってしまうまでの過程が描かれていた感じがしました。なので「私だけに」を聴いて、エリザベートも葛藤や苦悩してるんだなと。結果にはキチンと理由があって、みりおんエリザベートには理由を感じました。少なからず共感できる部分があったので涙がでてきました...
蘭ちゃんエリザベートは一般人には計り知れないエゴイストなパワーが炸裂で一ミリも共感は出来ませんでした。笑 歴史に残るほどの人物としての説得力があって、二組しかみてませんがエリザベートの見せ方の表現が全然違い、面白いなと思いました。蘭ちゃんは最初から歴史上の人物然としていて、みりおんは等身大の女性が歴史上の人物になっていく過程を演じていたような感じでしょうか。もともと持っていた気質なのか、環境がそうさせたのか..みたいな。
私の観た公演はルドルフが蒼羽りくさんでした。宙組にうとい新参者の私はどういう持ち味の方なのか全く知らずにみたのですが、
好きです。
これはいいルドルフ!運命に翻弄されまくり。絶望する姿に、エリザベートの子どもだね..と思いました。エリザベートは、絶望しても、それでも生き抜いていく決意をするわけですが(私だけにを歌い上げる場面)ルドルフは死を選んでしまいますよね。なぜそこに差が出てくるのか、親の愛情に飢えていたか否かかなーと思いました。エリザベートは幸せな、心のよりどころとなる子ども時代があったけどルドルフにはそれがなく...エリザベートは最後冷たく突き放しちゃうしね...ここで再び涙です。
愛月さんルキーニ。私は観てなかったのですが端っこに佇んでいるときにお客さんに話しかけていたらしい。笑 傍観者として舞台を力抜いてふらふらしてる感じがすごく良かったです。グランデアモーレではベティー二がチラつきましたが..笑
 
なんだか宙組花組の比較になってしまいました。どちらがどちらとも良いと思ったのですが、一本のお芝居としては宙組、場面を抽出すると花組という感じでしょうか。
 
花組は、明日海さんのお披露目であり、蘭ちゃんの退団公演であり、だいもんの花組最後の舞台であり、北翔さんが専科より出演した公演だったので何だかお祭りムードだったように思います。なんといってもそれぞれの歌がすごく良かった。最終証言のところの明日海トートvs北翔フランツとか最高だったよなー迫力がすごかった!!北翔さんの歌声ってなんであんなに包容力あるんでしょうね?それでもツンツンするエリザベートに「なんでやねん!」と思わずにはいられませんでした。
 
宙組は、宙組の隅々までエリザベートだった!という感じでしょうか。配役に違和感ゼロで世界観を堪能させてくれたようなイメージです。子どものルドルフとトートの身長差よ...子どもルドルフかわいすぎ!!まあ様の宙組って、まあ様が示している指針が組全体に染み渡っている感じがします。ヒタヒタです。それが心地よいのかなあ。
 
宙組がコース料理なら、花組バイキング形式のお食事みたいだと思いました。ステーキも刺身もケーキもあるよ!!みたいな。
 
結局、私はどっちも好きなのでした。